こんにちは!
西尾セントラル歯科です(^o^)
「歯ぐきから血が出る」「少し腫れているけれど痛みはない」──そんな症状を軽く考えてはいませんか?
実は歯周病は、単なる「お口の病気」ではなく、体全体の健康に深く関わる病気です。近年の研究では、糖尿病や心疾患、妊娠への影響など、命や生活に直結する全身疾患との関連が次々と明らかになっています。
本シリーズでは、歯周病が全身に及ぼす影響と、予防のためにできることを前後編に分けて解説します。
前編では「なぜ歯周病が全身に広がるのか、具体的にどんな病気と関係しているのか」、後編では「生活習慣との関わりや予防のポイント」について、専門的な視点からわかりやすくお伝えします。
歯ぐきの健康を守ることは、体全体の健康を守る第一歩です。ぜひ最後までお読みいただき、ご自身やご家族の健康管理にお役立てください。
【前編】歯周病が全身に及ぼす影響とは?
歯周病が全身に影響する理由
歯周病は、歯を支える組織(歯ぐきや骨)が細菌の感染によって破壊されていく病気です。
このとき歯ぐきでは慢性的な炎症が起こり、炎症物質や歯周病菌そのものが血流に乗って全身へ広がってしまいます。
つまり「口の中の炎症」が全身の不調につながる可能性があるのです。
糖尿病との深い関係
歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を及ぼす「相互関係」にあります。
糖尿病があると免疫力が下がり、歯周病が進行しやすくなります。一方で、歯周病による炎症が血糖コントロールを乱し、糖尿病を悪化させることもわかっています。
実際に、歯周病治療で血糖値が改善した例もあり、糖尿病と診断された方には口腔ケアが不可欠です。
心疾患・脳血管疾患のリスク
歯周病菌が血管に入り込むと、動脈硬化が進行したり、心臓や血管の内壁に菌が付着して感染性心内膜炎を引き起こすこともあります。
この結果、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクが高まると報告されています。歯茎の炎症が、実は命に直結する病気の引き金になり得るのです。
妊娠・出産への影響
妊婦さんにとっても歯周病は無視できない課題です。
歯周病の炎症物質は、子宮収縮を促す物質(プロスタグランジン)を増やすとされており、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があります。
赤ちゃんの健やかな発育を守るためにも、妊娠前や妊娠中の歯科検診はとても大切です。
次回予告
ここまでご紹介したように、歯周病は糖尿病や心疾患、妊娠など、全身の健康に深刻な影響を与える可能性があります。では実際に、日常生活の中ではどんな要因が歯周病を悪化させてしまうのでしょうか?
後編では 「生活習慣との関わりと予防のポイント」 について、具体的に解説していきます。ぜひ続けてご覧ください。